39歳女性 ライ症侯群、症候性てんかん、右不全片麻痺、最重度知的障害
未分類 | 2018年8月7日
医療法人ほがらか会 もとだて病院(精神科・内科、岩手県)
現病歴
S56年8月(2歳11ヶ月)ライ症候群発症のため大学病院小児科に5ヶ月間入院となる。その後てんかん発作のコントロールのためS57年11月からS59年10月まで国立病院てんかんセンターにて入院治療。
発作型は複雑部分発作で奇声と両上下肢間代・強直から右方に体幹を回旋し多動を示す。あるいは奇声を発するのみ。また、無動発作等多彩な型を示し1日2~3回程度認められた。
これ以上の改善はなくS60年5月に地元の知的障害児施設に入所となりS61年11月に地元の小児科に転医となる。地元の小児科医院で日常的な診療と投薬を受けて年3回程度国立病院と併診していた。
H13年10月から重症心身障害児施設にて継続併診となる。同年の年末年始にかけて重積発作を繰り返し12月27日に救急受診し(ジアゼパム、フェノバール注等)で一時軽快したものの1月8日再度重積発作を繰り返した。発作頻発、重積時の対応について知的障害児施設の嘱託医である当院にH26年1月10日紹介となる。
発作は1日4~5回、時に数十回に及ぶ大発作や複雑部分発作を繰り返していた。カルバマゼピン300mgバルプロ酸300mgフェニトイン75mgクロバザム30mgジアゼパム6mg×3ニトラゼパム5mg寝前の処方内容であった。発作頻回で転倒し頭部打僕の危険もあり薬物増量するとある程度発作は抑制されるのだが副作用として眠気やふらつきを認め歩行困難となった。このため発作が数十回に及んだ時期には入院環境下でヘッドギアと車いす使用して薬物コントロールを行いカルバマゼピン、バルプロ酸の増量を主体にして行った。ある程度発作回数が減ったところで薬剤を減量して外来通院に切り替えるという治療を繰り返していたが手詰まり感をぬぐいきれない印象であった。これまでこうした形態での入院歴が6回に及んだ。
H30年6月中旬日より8%ブロードスペクトラムCBDオイル1日1mlを患者に寝前投与したところ1日に4~5回認めていた発作が翌日から消退し、その後2週間の経過中の発作回数はわずか2回のみと劇的な減少を認めた。
H30年7月19日よりカルバマゼピン600mgバルプロ酸600mgクロバザム30mgジアゼパム15mg×3レベチラセタム1000mgラモトリギン200mg×2ジアゼパム5mg寝前処方からカルバマゼピン300mgバルプロ酸300mgクロバザム30mgジアゼパム6mg×3ジアゼパム5mg寝前と減量して現在経過観察中である。
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